富士レビオのコロナ抗原検査キットとは?PCR検査や抗体検査との違いは?

富士レビオが開発した抗原検査キットが、5月13日に薬事承認されました。

それによって、新型コロナウィルスの感染の有無について、検査数が増えると期待されています。

とはいえ、これまでに行われてきたPCR検査とは、何が異なるのでしょうか。

そして、抗体検査との違いも気になりますよね。

そこで今回は、抗原検査キットについてや、PCR検査や抗体検査との違いについて紹介していきたいと思います。

抗原検査キットとは?

抗原検査はPCR検査と同じように、新型コロナウィルスの感染の有無を調べることが出来ます。

参考記事コロナ抗体検査キットはいつから日本で導入?費用や精度なども調査

検体もPCR検査の時と同じように、綿棒などを使用し、鼻の奥から鼻咽頭ぬぐい液を採取する必要があります。

よって、採取の際に被験者がくしゃみや咳などをする可能性もあり、採取側の感染のリスクは変わりません。

PCR検査と異なるのは、検査方法でした。

PCR検査はウィルスの遺伝子を増幅させて、その配列を調べる方法であり、検査する人材にも高い技術力が必要とされています。

そして、検査結果が出るのに4~6時間ほどかかります。

一方の抗原検査は、ウィルス内のタンパク質を調べる方法で、検体を抗原検査キットに入れて、10~30分で検査結果が出ます。

つまり、インフルエンザの検査をするときと同じような方法です。

そのため、検査方法は簡単であり、高い技術力を持った人材も必要としません。

結果的に、新型コロナウィルスの検査数を大幅に増やすことが出来ます。

とはいえ、抗原検査もすべてが良い方法というわけではありませんでした。

抗原検査の欠点

抗原検査の欠点としては、その精度がPCR検査と比べるとやや劣ってしまうということです。

感染者から採取した検体のウィルスの量が少ない場合には、陰性となるケースが多くなります。

よって、結果が陰性の場合には、PCR検査を行う必要があります。

そのため、抗原検査は、あくまでもPCR検査を補う検査という位置付けになりますね。

しかし今でも、PCR検査を受けるには、かなり高いハードルが課されているため、そういう意味では、抗原検査キットが大いに役立ってくれるのではないでしょうか。

今後は、PCR検査も唾液を検体に使用する方法が導入される可能性もあるため、検査体制は大幅に改善されてくるのかもしれません。

できれば、その頃には感染が収束し、大幅な検査が必要無くなって状況になっていることが良いのですけどね。

抗原検査と抗体検査の違いは?

先ほども触れたように、抗原検査は、現時点における新型コロナウィルスの感染の有無を調べる検査です。

一方の抗体検査は、過去に新型コロナウィルスに感染し、抗体を持っているかを調べる検査です。

細かい検査方法などに関しては、参考記事をご参照ください。

参考記事コロナ対策で抗体検査を急ぐ理由は?日本での導入はいつ頃?

つまり、一般的には、抗体を持っていることによって、再び、新型コロナウィルスに感染することが無いと言われています。

欧米などでは、抗体を持っている人に証明書を発行し、積極的に社会経済活動に参加してもらおうという試みもあるようです。

特に証明書を持っている人が威力を発揮するのが医療現場ですよね。

感染のリスクにおびえながら、毎日医療現場で働くことは、精神的な負担が尋常ではありません。

最前線で医療に従事していること自体が、大きな負担となっているはずなので、少しでもその負担を軽くするためには、抗体検査が重要となってきます。

抗体検査の導入に関しては、当初は早ければ5月中からとアナウンスしていましたが、どうやら6月にずれ込むようです。

そこで日本国民がどれくらいの割合で、新型コロナウィルスに感染したことがあるのかが分かりますね。

しかし、抗体検査にも懸念材料がありました。

抗体検査の懸念材料

世界中では、新型コロナウィルスに再感染したという事例が報告されています。

最近では日本でも、再感染者が報告されていますよね。

その原因については、PCR検査時のエラーなどが考えられています。

またウィルスが体の奥深くに潜んでおり、検査をすり抜けているという事もいわれています。

そして一番厄介なのは、今回の新型コロナウィルスが変異する能力を持っており、たとえ抗体を持っていたとしても、再感染してしまうということです。

要は、全く別のウィルスにどんどんと変異し、ワクチンの開発も遅れてしまうということです。

というか、ワクチンの開発自体が困難なのではないでしょうか・・・

そうなると、変異する新型コロナウィルスに対する特効薬が開発されるのを待つしかありませんね。

抗原検査の料金は?

厚生労働省は抗原検査に伴う医療機関への診療報酬を6,000円と決定しました。

なお、医師が感染を疑った場合は、患者の自己負担をなしとする方針です。

仮に自己負担となった場合でも3割負担の場合は1,800円ですね。

初診料や諸々の料金を合わせてもそれほど高くはなりません。

これで、新型コロナウィルスの感染が少しでも心配な場合は、比較的容易に抗原検査を受けることが出来るのではないでしょうか。

とはいえ、抗原検査キットの供給量が追い付かないと、無理なので、もうしばらくは待つ必要がありますね。

ちなみに「富士レビオ」は、当面の間、週に20万個の抗原検査キットを供給するそうです。

20万個と聞くと少なく感じますが、あまり作り過ぎて、感染が収束してしまうと、その分が完全に在庫となってしまいます。

おそらくは、政府から何らかの補償があるとは思いますが、出来るだけ多くの供給を頑張ってもらいたいと思います。

おわりに

今回の抗原検査キットの認可に関しては、比較的早い対応だったのではないでしょうか。

それだけ、検査の必要性を感じていたのでしょうね。

とはいえ、検査数を増やすということに、少し疑問を感じます。

検査数が増えると、それだけ多くの陽性患者が出てきます。

そうなると、切迫した医療現場の負担がさらに増してしまうのではないでしょうか。

また、無症状や軽症者が宿泊するホテルなどを、さらに多く確保する必要がありますよね。

幸い今のところ、日本での患者数は減少してきています。

新型コロナウィルスの感染者の動向などを分析するためには、抗体検査をする方が重要な局面に入っているのではないでしょうか。

当然のことながら、これから訪れるであろう第2波、第3波に備えておくためには、抗原検査やPCR検査は必要となってきます。

また今後は、新型コロナウィルスが季節性のインフルエンザのような存在になった場合には、さらに精度の高い抗原検査キットが開発されすのかもしれませんね。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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