コロナ対策で抗体検査を急ぐ理由は?日本での導入はいつ頃?

アメリカのニューヨーク州知事は、州内における新型コロナウィルスの感染のピークが過ぎたと発表しました。

それに伴い、新型コロナウィルスに感染し、免疫を持つ人を調べるための抗体検査を強化する方針も表明しています。

日本においても、抗体検査を急ぐ声が高まっており、様々なところで開発が進められています。

しかしどうして、そこまで抗体検査を急ぐのでしょうか?

そこで今回は、抗体検査を急ぐ理由と日本での導入時期について調べていきたいと思います。

抗体検査とは?

そもそも抗体検査とは、どういう検査なのかを、まずは紹介していきますね。

人の体には、体外から侵入する異物を排除するための、免疫システムがあります。

体内に侵入した病原体に対して、免疫細胞などがそれを認識し、その際にできるのが抗体です。

抗体は病原菌に対して中和作用を発揮し、病原体を無力化します。

その後、同じ病原体が再び体内に侵入した時には、すでにその抗体を持っているため、感染から身を守ることが出来るのです。

その抗体は全部で5種類ありますが、ウィルス感染で調べるのは、IgMIgGの2つとなります。

IgMは感染の初期段階で作られ、比較的早めに消失します。

IgGは感染後、比較的ゆっくりと作られて、その後血液中に残ります。

・IgM:陽性 IgG:陰性 → 感染初期の可能性あり

・IgM:陰性 IgG:陽性 → 少し前に感染していた(感染を克服した可能性あり)

その結果により、感染のタイミングをある程度推測することが出来ます。

しかし現時点では、その精度が低いため、実用化できないとされています。

検査方法は?

抗体検査は、いたって簡単に行える方法となっています。

被験者自身が自分の血を1滴採血し、血液を抗体検査キットに滴下します。

その後、専用の試薬を滴下し、準備完了です。

そして、10分から15分ほど待つと検査が終了し、自分の目で結果を確認することが出来ます。

この簡便さが抗体検査の最大の利点となっており、医療従事者などを感染させるリスクもありません。

PCR検査の場合は、まず検体を採取する際に、医療従事者に高い技術力が求められます。

そして、検体をPCR検査する際にも、検査技師に高い技術力が求められます。

それらの工程で、医療従事者や検査技師などを、感染させてしまうリスクも高いのです。

さらには、結果が出るのにも時間がかかるので、PCR検査を一度に大量に行うことが困難だとされています。

しかし、PCR検査と抗体検査を併用することで、精度の向上や診断・治療の効率化を図ることが期待されています。

抗体検査を急ぐ理由は?

日本でも緊急事態宣言が発令されるほどに、新型コロナウィルスの感染者が増えてしまいました。

しかしその後も感染者数の増加が止まりません。

そして医療崩壊が始まりつつあり、各医師会がその危機感から強い警鐘を鳴らしています。

それを受け、政府の方もPCR検査の拡充など、様々な策を講じていますよね。

そのため、かえって多くの混乱を招くことになり、感染者の優先順位などに支障をきたしています。

それを整理するために、抗体検査を急ぐ必要が出てきました。

PCR検査では、今現在、新型コロナウィルスに感染しているかどうかしか調べることが出来ません。

しかし、抗体検査を併用することで、感染者がどの段階にあるのかを見極めることが出来ます。

それによって、感染者の状態が整理しやすくなり、医療現場での効率化を図ることで、医療従事者の負担を軽減させることが可能となります。

さらに、すでに抗体を持っている人には、積極的に経済活動や社会活動に復帰してもらい、日本経済の立て直しにも、大きく貢献してもらえるようになるのです。

また、感染者や抗体を持っている人の状況を把握することで、政府も様々な政策を決める上での、貴重な資料ともなります。

そして何よりも大きいのが、先ほども触れたように、感染のリスクなく、検査人数を大量に増やせるということですね。

以上のように、抗体検査を導入することによって、感染対策と経済対策の両面を推し進めることが可能となります。

医療崩壊を食い止めることはもちろんななのですが、経済に対する影響も極力少なくしたいですよね。

精度云々と言う反対意見もありますが、抗体検査を行うことのデメリットはそれほど大きくありません。

そのため、政府や医療従事者が、抗体検査を急いで導入したいのでしょうね。

日本に導入されるのはいつ頃?

海外ではもうすでに、抗体検査キットを開発しているところもあります。

しかし、中国製の抗体検査キットは、精度の最低基準を満たしていないようです。

いくら抗体検査の導入を急いでいるからと言って、さすがに不良品を輸入するわけにはいきません。

そこで日本では、もともと持っている高い技術力を生かし、日本製の抗体検査キットの開発を急いでいます。

あるグループによれば、4月中の完成の目途が立っているそうです。

そして政府も、早ければ4月中にも、抗体検査の導入を目指したいと準備を進めるようです。

4月中となると、もうあと少しですよね。

4月中には抗体検査の体制を整え、ゴールデンウィーク明けからは、本格的に導入されるのではないでしょうか。

それによって、緊急事態宣言の解除の目安も立てやすくなります。

とはいえ、ワクチンや新薬が開発されるまでは、劇的な感染者数の減少はのぞめそうにありません。

何とかそれらの開発が完了するまでのつなぎとして抗体検査を利用し、この難局を乗り越えることを期待しましょう。

とにかくスピード勝負だと思います。

おわりに

日本では緊急事態宣言が発令されている間は、様々な面において国民が非常に厳しい状況下に置かれています。

お店が閉まり、人の少なくなった街並みを見ると、本当に切なくなりますよね。

そして今後は、経済的な面でさらに大きな苦境に立たされることは間違いありません。

現時点においても苦境に立たされている人は、日々増加しています。

そして残念なことに、自らの命を絶つ人も出てきましたよね。

新型コロナウィルスによる犠牲者を減らすのと同時に、経済的な犠牲者も出来ればゼロに抑えてもらいたいと思います。

しかし、経済的な犠牲者に関しては、政府の緊急経済対策いかんでは、いくらでも対応できるように思います。

アメリカのトランプ大統領は、もうすでに、第二、第三の経済対策を実施することを表明しています。

その規模は非常に大きく、日本でも同じ規模の緊急経済対策を実施すれば、絶対に経済的な犠牲者は出ません。

安倍首相の口にした「迅速かつ大胆な政策」というのは、いつになったら実施されるのでしょうかね・・・

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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