政府は緊急事態宣言を5月31日まで延長することを発表しました。
ところが、大阪府の吉村知事が緊急事態宣言の段階的な解除の条件を独自に考案し、社会経済活動を両立する「大阪モデル」を発表しました。
その動きを真似たのか、安倍首相も5月14日をめどに、緊急事態宣言を部分的に解除する可能性を示唆しています。
そして5月7日の会見では、西村経済再生担当大臣が「一部地域の解除の可能性」について触れました。
そこで気になるのが、その条件や解除地域がどこになるのかですよね。
ということで今回は、緊急事態宣言の解除の条件や地域、そして北海道はその条件を満たしているのかを調べていきたいと思います。
緊急事態宣言の解除の条件は?
政府は当初、緊急事態宣言の延長については、全国を対象に実施することを発表しました。
当然のことながら、新規の感染者が出ていない地域もあり、全国一律ということに批判の声が多く集まります。
そして真っ先に動いたのが、大阪府の吉村知事が「大阪モデル」を発表しました。
明確な数字を提示し、多くの国民が納得しやすい内容でした。
それを受けて、安倍首相も期間の満了を待たずに、緊急事態宣言の解除を明言しました。
ところが、いつものように、その内容は明確なものでは無く、専門家に任せるというスタンスです。
結局は、これからその内容を検討するということですよね。
またもや、再三のことで聞き飽きた「検討」です。
緊急事態宣言の延長を決めた時点で、多くの検討は終了しているはずなのですが、またもや国民には、後手後手の印象を与える結果となりました。
5月14日ごろまでにガイドラインを作成するということですが、吉村知事が提案した条件とさほど変わらないのではないでしょうか。
吉村知事が提案した条件
吉村知事は、とりあえず3つの基準を出しています。
① 1日当たりの感染経路が不明な感染者数 → 10人未満
② 検査を受けた人の陽性者の割合 → 7%未満
③ 重症の患者を受け入れる病床の使用率 → 60%未満
この3つの条件のすべてを、7日間連続で達成した場合に、自粛を段階的に解除する。
仮に解除された場合でも、それぞれの数値が基準を上回った場合には、再度の自粛を要請する。
なお、実効再生産数(1人の感染者が、ほかの何人を感染させる数字)については、日本においては既に1を下回っており、解除基準には使えないとしています。
非常に分かりやすくまとまっており、明確な数字が提示されていることが凄いですよね。
これを目の当たりにした専門家たちは、頭を抱えることになるのではないでしょうか・・・
緊急事態宣言の解除地域はどこ?
5月7日時点の感染状況では、全国の中で17県において、1週間連続で新規の感染者が出ていません。
(青森、岩手、宮城、秋田、栃木、福井、三重、鳥取、岡山、徳島、香川、高知、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)
そもそも岩手県からは、感染者が一人も出ていないので、真っ先に解除となるはずです。
その他の16県においても、それぞれの医療体制などを考慮に入れ、解除されるのではないでしょうか。
しかし、隣接する県などの状況も考慮しないと、そこから感染者が流入してくる可能性もあります。
地域ごとの解除を実施するとともに、解除されていない地域に対しては、さらなる移動の自粛を要請する必要があります。
とはいえ、それがあまりにも過剰になると、差別などのさらなる問題が発生しそうですよね。
西村大臣は、解除基準については、直近2週間の累積感染者数や感染経路不明な感染者数などの感染状況、医療提供体制を基に検討する考えを示した上で、「海外と比べると非常に厳しい基準になる」と語っています。
直近2週間ということなので、上述した17県の状況も今後は変わってくるのかもしれませんね。
また菅官房長官は、東京都や大阪府など13の「特定警戒都道府県」でも、専門家が可能と判断すれば期間満了前に解除できるとの認識を示しています。
しかし、首都圏や関西圏に関しては、さらに人の往来が激しいので、その判断はさらに難しくなるのではないでしょうか。
とはいえ、日本経済の回復のためには、大都市部の解除が最も必要とされています。
欧米のように、ある程度基準を緩め、積極的に解除する時期に来ているのかもしれません。
北海道は解除の条件を満たしている?
当初、北海道は政府による緊急事態宣言の対象地域には含まれていませんでした。
ところが、その直後から北海道でも感染者が増加してしまったのです。
その結果、4月12日には、北海道と札幌市が独自の緊急共同宣言を発令せざるを得ない状況になってしまいました。
参考記事:北海道と札幌市が緊急共同宣言!GW期間の道内の旅行も自粛なの?
そこからは感染が収束に向かうと思っていたのですが、逆に拡大することになります。
4月下旬には新規感染者が20人を超える日が続きました。
4月29日から5月5日の1週間では、北海道の新規感染者が203人となりました。
そのうちの159人が札幌市内だけで占めていたのです。
ちなみに同時期の新規感染者数は、東京都で653人、大阪府で133人でした。
つまり、札幌市内の新規感染者数だけで、東京都に次ぐ多さとなっています。
人口比で考えると、全国で一番深刻な状況だということが分かります。
しかもそのうちの48.6%が感染経路不明ということで、鈴木北海道知事や秋元札幌市長は強い危機感を抱き、道民や札幌市民に対して、さらなる感染対策への協力を呼びかけました。
つまりは、現時点での北海道の感染状況においては、緊急事態宣言を解除するレベルにはほど遠いということですね。
しかも、ゴールデンウィークには、外出をする人の姿も多く見られました。
その結果が5月下旬には、新規の感染者数として表れてくるはずです。
そうなると、再び緊急事態宣言は延長される可能性が高いのではないでしょうか。
おわりに
北海道では今、本当に大きな危機に直面しています。
医療崩壊はもちろんなのですが、観光業を主とした北海道経済全体がダメージを受けています。
しかし、北海道の財政は不足しており、これ以上の経済的な援助は出来ないと、鈴木北海道知事は明言していました。
今後、北海道における感染は長期化する可能性が高いのですが、このままでは北海道が完全に潰れてしまいます。
それにしても、なぜ札幌市の感染者数がこれほどまで増えてしまったのでしょうか。
確かに北海道の自粛率は、全国で一番低いということは否めません。
今後もさらに、外出に適した北海道の夏が訪れようとしています。
それを考えると、雪が降るまでこの状況が繰り返される可能性もありますよね。
本当に今以上の自粛を心掛けるしかありません・・・
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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